日本のロコ・ソラーレが不運に泣いた。第7戦英国戦は序盤から劣勢。巻き返したかった第6エンドの最終の一投で、氷上のゴミを石がかんで急失速した。複数点の好機を逸し、そのまま4-10で2連敗。4勝3敗となって2位から3位に後退し、上位4カ国が進む準決勝へ正念場を迎えた。1次リーグは残り2戦。16日は米国戦が待つ。

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石に急にブレーキがかかった。第6エンド(E)の最後の一投。スキップ藤沢にとっては難しいショットではなかった。ハウス内にはNO・1を確保して、中心にドローで運べば良かった。その軌道にゴミが落ちていた。石がかんでしまい、ハウスにも遠く届かず。

「一番多いのは髪の毛ですね。あとは横のクッションボードのクッションのカスが結構落ちているんですけど…」。逆襲につなげたかった場面で1点にとどまって4-7。勢いはそがれ、第8E終了時に4-10となって負けを認めた。

投げる前には、毎回ブラシではく。ただ、「私たちみたいな黒い髪だと気づくことがありますが、金髪だとなかなか見えづらかったり。だからといってスイーパーに責任ではなく、ただのバッドラック」と割り切るしかない。

銅メダルだった18年平昌五輪の3位決定戦で接戦を演じた英国。自身の最後の一投でメダルを逃したスキップのミュアヘッドは大会前、「あのショットは、今でも私を悩ませています」と話していた。雪辱戦。リード吉田夕は「やるしかないという気持ちがチーム、コーチを含めて見えていた」と試合前に感じていた。

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ただ、これで終わりではない。白星は先行し、準決勝進出には十分可能性は残す。藤沢は「こういうバッドラックの時は、氷の外でもごみ拾いなどして少しでも運をこっちに持って来るようにしたほうが、大事な氷の上で運は来る」とニッコリ。

昨年9月、世界最終予選の出場権をかけた北海道銀行との代表決定戦では、2連敗後の3連勝で北京への道を開いた。藤沢は「毎回、毎大会、崖っぷちに立たされることが多い。その度にチーム全員で乗り越えてきた。本当にカーリング界の神様に試されているのがいま」とも。試練こそ、ロコ・ソラーレの底力を見せる時。【阿部健吾】

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