初出場の小松原美里(29)、尊(30)の夫妻組(倉敷FSC)は98・66点で5組中5位だった。次の女子フリーまで棄権がなかった場合の3位以上が確定している日本は、この種目を終えて、合計得点で1位ROC(ロシアオリンピック委員会)64点、2位米国58点に次いで、54点で3位。

 

2人そろって、元々はシングルの選手だった。小松原美里は16歳まで取り組み、2学年下に世界ジュニア選手権を制した村上佳菜子(27)がいた。拠点は異なっていたが、足を痛めていた頃、隣で村上が連続3回転ジャンプを跳ぶ姿を見て「やめようかな…」と思った。連盟関係者に「もったいないから、ペアかアイスダンスをやってみない? やってみたら、世界選手権に行けると思うよ」と背中を押され、踊るのが好きなスケーターは転向を決めた。

米国出身の尊は20歳までシングル選手として打ち込んだ。足首の故障があり、ジャンプが跳べない時期、周囲に「アイスダンスをやってみない?」と誘われた。3週間にわたって練習すると「楽しかった。フィギュアの中での好きな部分が全部入っている。音楽も動きも」と引き込まれた。トリプルアクセル(3回転半)を習得しながらも、新たな世界で高みを目指した。

尊は20年に日本国籍を取得。そうして夫婦の2人に五輪への道が開かれた。団体戦のリズムダンス(RD)を終え、美里は誓った。

「アイスダンスが一番(団体戦の)足を引っ張るような種目。自分たちがやることはベストを尽くす。今日、自分たちがどういうふうに滑ったりとか、緊張の中でどう戦ったのかを踏まえて、フリーでより強く、実力を出せればと思います」

その思いを「チームココ」は演技に込めた。