北京オリンピック(五輪)フィギュアスケート男子で初の金メダルが懸かる3人が9日、首都体育館の練習用リンクで最終調整した。

ショートプログラム(SP)首位で世界選手権3連覇中のネーサン・チェン(22=米国)はフリー世界最高の224・92点を記録した2季前の「ロケットマン」を再演。銅メダルの団体戦フリーで今季世界最高208・94点を出した2位鍵山優真(18=オリエンタルバイオ/星槎)は5・85点差を追う。首位と8・07点差の3位宇野昌磨(24=トヨタ自動車)とともに世界王者に挑戦する。

宇野は短く決意を込め、そしてほほえんだ。「頑張ります」。氷上での真剣な目つきは一転、普段のリラックスした表情になった。

銀メダルを獲得した4年前と同様、演技前から順位は意識しない。前日8日のSP後には正直に言った。

「恐らくですけれど、全選手が完璧に演技したネーサン・チェン選手に、点数で及ぶことは『かなり難しいことかな』と思っています。その中でも、僕はまだまだ実力が届いていない」

だからこそ、自分のできる最高な演技にこだわる。最終調整はフリー「ボレロ」をかけての通しの順番が早く、演技前半はジャンプを跳ばずに流した。後半に2本のトーループを着氷させ、その後は4回転サルコーなどを確認。念入りに、丁寧に、準備を整えた。

金メダルを争う2人は、自分の意欲を高めてくれた。「4年間、ネーサンという存在がいたからこそ『僕もいつか、同じ立場で戦える存在になりたい』と思った。そして『このままでは優真くんに置いていかれてしまう』という焦りがあった。この2人は大きな存在だと思います」。願うのは練習で取り組んだ成果の発揮。4回転4種5本で攻め、北京で輝く。【松本航】