北京オリンピック(五輪)で注目を浴びるフィギュアスケート女子は17日、フリーを迎える。華麗に氷上を舞う選手たちの演技は圧巻というしかない。ただ、あんなに回転して目は回らないのだろうか? 今回の「知っ得!ガイド」は、スピンについて選手に聞きました。

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フィギュアスケートの華麗な演技を彩るスピン。男女シングルはショートプログラム(SP)、フリーともに3つのスピンが必須要素とされている。選手は5段階あるレベル(最高が4)を上げるために、回転数を刻み、正しい姿勢で回る。そんなスピンだが、競技未経験者が必ず? 1度は浮かぶ素朴な疑問がある。「目は回らないの?」

教えてくれたのは5歳からスケートを始め、現在、同志社大3年の籠谷歩未だった。北京五輪代表の坂本花織や、三原舞依らと同じ中野園子コーチの下で切磋琢磨(せっさたくま)し、今季は全日本選手権に出場。そんな実力者は「目は回らないです。慣れですかね?」とほほ笑んだ。

練習では基礎のポジションを維持するため、30回転ほどすることもあるという。だが「それでも目は回らないです」とまたニッコリ。演技でスピンを行う際は始まる場面の景色を頭に入れ、体の感覚と合わせて回転数を数えているという。

ちなみにフィギュア界で「スピンの上達=練習に比例」は鉄則。籠谷も「ジャンプは本番で失敗することもあるけれど、スピンは練習すればするほどうまくなると思います」と明かす。回転軸、安定性、スピード…。長年の努力の蓄積が、ほれぼれとするスピンを作り上げている。【松本航】