ショートプログラム(SP)首位で、ドーピング違反が発覚しながら暫定的に出場が認められたROC(ロシア・オリンピック委員会)のカミラ・ワリエワ(15)が登場した。

直前の6分間練習に姿を見せ、大トリで「カミラ・ワリエワ」の名前がコールされると、場内は大きな拍手と歓声に包まれた。禁止薬物トリメタジジンの陽性反応が出て、批判の中でそれでも夢舞台に立った未成年へのブーイングは、少なくとも会場では起きなかった。

世界最高記録を持つフリー曲「ボレロ」の赤と黒の衣装で登場し、華麗に4回転半ジャンプを決めるなど好調そうだった。金メダルを獲得しても、国際オリンピック委員会(IOC)から「暫定」記録とされる。前代未聞の状況の中、ワリエワは最終滑走の日本時間午後10時49分ごろ、世界一のスコアをたたき出した演技を披露する。【木下淳】