男子複合で五輪初出場の山本涼太(24=長野日野自動車)は9日、前半ジャンプで108メートルの大飛行をみせて首位に立ったが、後半距離で後続に追い抜かれ、14位でゴールした。

所属する長野日野自動車本社(長野市)の会議室には約50人の社員がテレビ前で声援を送った。山本の所属する人事部では「びっくりしました。最高のパフォーマンス」と感激にひたった。距離に強い欧州勢に38秒差のスタートを詰められたものの「持てる力で健闘した。素晴らしかった」と広報担当者は話した。

山本は入社2年目で、長野日野自動車としては冬季種目アスリートと社員契約した初めての選手となった。山本が入社の際に面接官として担当した上司の社員は「こんなにきゃしゃで細い体で世界を相手に戦っているのか」と心配になったという。採用としては人事部に所属し、週2日同社のホームページを作成したり、入社を希望する大学生のリクルート活動の窓口を担当している。人事部では「とても真面目で誠実。会社には4~9月の間の出社で、メインシーズンは世界を転戦している。4年後のミラノ五輪が本番ですね」と期待を寄せた。【寺沢卓】