ノルディックスキー複合団体で日本が銅メダルに輝いて一夜明けた18日、アンカーを務めた山本涼太(24)の故郷・長野県木島平村が歓喜に沸いた。

同じく村で、同県の白馬村からはエース渡部暁斗(33)と弟善斗(30)、さらにはモーグルの上村愛子さん(42)やスキークロスの福島のり子さん(42)らオリンピアンを輩出。県北部の人口4285人の木島平村では、今回の山本が初のオリンピアンで、さらに銅メダルにまで輝いたことで、村全体が祝福ムードにあふれた。

元スキージャンパーでW杯優勝経験もある湯本史寿さん(37)も同郷で、湯本さんの兄大光(ひろみつ)さん(41)が中心となって「山本涼太 翔けて 駆けて 銅メダル おめでとう」という文言の看板を作った。テレビ観戦後に就寝していた湯本さんの父勝さん(70)が深夜に起こされて文字を書き、翌正午すぎに大光さんら有志が大町地区の道路沿いに「村が始まって以来の大事件だから」と、目立つように手作りの看板を設置した。

同村唯一のケーキショップ「パティスリーレーヴ」でも18日朝に急きょ銅メダルの形をした茶色のクッキーを約60個つくり来店したお客さんに配布。小松健一店主(44)は「村は大騒ぎですよ」と笑い「涼太のお母さんがおうちにいるから、じゃ、ケーキを持って行こう、って。涼太の写真を食物プリンターで加工してつくったケーキを持っていきました」と、興奮気味に話した。

山本の父直鋭さんも複合選手で、荻原健司・長野市長(52)と同時期に北野建設に所属していた。5年前に直鋭さんは他界。山本は父の果たせなかった五輪に出場しメダルも獲得できた。山本が中学時代から通う木島平村のステーキハウス「デンバー」の三井喜実雄店主(68)は「涼太くんはいつもジャンボステーキ(250グラム)を食べていたね。なかなか太れない体質みたいで『肉を食べて外国人の選手に負けないように』とご両親には言われていたかな」と当時を振り返り「3月ごろ村に来るらしいから、一緒に写真を撮って、店内に飾りたいですね」とほほえんだ。【寺沢卓】