フィンランド男子アイスホッケーチームのユッカ・ヤロネン監督(59)が6日、「中国は選手の人権を尊重していない」と訴えた。

フィンランドのFWマルコ・アンティラ(36=シカゴ・ブラックホークス)は18日前に新型コロナウイルスに感染。しかしそこから回復し、中国へ出発するまでに受けた何度かの検査でいずれも陰性を示していたという。

だが中国へ到着した際の検査でコロナ陽性と判定され、ホテルへの隔離を余儀なくされた。フィンランドの五輪選手団チームドクター、マーリット・バルトネン医師によると、アンティラはホテルでまともな食事を与えられておらず、精神的にもストレスを受けているという。

ヤロネン監督は「マルコはここに来る前に我々とともに1週間ほど過ごしたが、彼は検査で陰性だった。彼は選手、コーチングスタッフと一緒にいたが、彼やその他の人からコロナをうつされた人間はだれもいない」と説明。「我々はみんなマルコが完璧に健康で準備万全だと分かっている。それ(健康なのに隔離されていることと、満足な食事が与えられずストレスを受けていること)が中国が彼の人権を尊重していないと考えている理由だ」と話した。

バルトネン医師は「医学的見地から言うと、このような(アンティラのような)選手はもう他人にコロナを感染させる恐れはないし、他のチームにとって危険ではない。隔離は医学や科学に基づくものではなく、もっと文化や政治的決定に基づくものだ」と主張した。

選手が隔離ホテルを出るには、24時間間隔を開けた2度のPCR検査で陰性となる必要がある。フィンランドの初戦は10日スロバキア戦。ヤロネン監督は「マルコはプロのアスリートでチーム練習、試合に参加したがっている。彼は満足な食事を与えられていない上に、とても大きい男だ。もっとエネルギーを、そして良い食事を取りたがっている」と強調した。