新種目のジャンプ混合団体で、日本(高梨沙羅、佐藤幸椰、伊藤有希、小林陵侑)が最後に意地を見せた。1回目で、北京オリンピック(五輪)では最後の種目となる高梨沙羅(25=クラレ)が太もも回りが2センチ分、大きいとしてスーツの規定違反で失格。1回目8位とメダルは絶望的だったが、チームは結束して2回目で2位と力を出し、4位に順位を上げた。

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高梨に次ぎ日本チームの2番手で飛んだ佐藤幸は「予想できた人いますか」と切り出した。「いろいろな五輪を僕も見てきたけど、こんな五輪は初めてなので、びっくりしている」と驚いた表情を見せた。

スーツ規定違反で失格者が相次いだことに「それだけ多くのルールのもとでジャンパーは準備している」と前置きした上で言った。「勝負しての結果なので、こういうことがあっても不思議ではない。勝負しての結果ですし、沙羅ちゃんを責めないでほしい。今日だけ、神様を嫌いになりました」。

自分のジャンプに集中した。「2本目があるかちょっと分からなかったけれど、(小林)陵侑が『この展開、何があるか分かんないっすよ』と言っていた。やっぱり、チャンピオンはいいこと言うなと感じながら、もう1度、気持ちを入れ直して準備して飛びました」と振り返った。

高梨はまさかの失格にショックを受けながらも、自分で2回目を飛ぶことを決めた。佐藤は「こういう状況下で、けがのリスクもある中、沙羅ちゃんも2本目を飛んでくれて、けがなくて良かった。本当に強い心持っているなと感じました。これを近い将来というか、何かの大きな力になると信じているし、しなきゃいけないなとも感じた」と話した。