全日本スキー連盟(SAJ)がノルディックスキー・ジャンプのマテリアルコントロール(道具の検査)について国際スキー連盟(FIS)への対応を検討していることが10日、分かった。

北京オリンピック(五輪)の7日ジャンプ混合団体で高梨沙羅ら5選手がスーツ規定違反による失格。選手からは通常とは違う検査方法だったという声が挙がっている。

日本選手団のスキーチーム監督として現地へ同行しているSAJ斉藤智治常務理事は「結果が出たのは覆らない。この五輪が終わってからSAJとして何らかのアクションを起こします。意見書、提案書、質問書になるかはわからない。マテリアルコントロールのあり方、やり方について、もう1回FISのコントロール委員会の中で話し合った方がいい」と話した。

今大会初開催だった同種目で日本は4位だった。高梨が1回目の飛躍後、スーツの太ももまわりのサイズが規定より2センチ大きいと判断され、失格となった。自らを責め、泣きながら2回目を飛んでいた。

8日に自身のインスタグラムで真っ黒な画像とともに謝罪のメッセージを投稿。メンタル面が心配されていた。9日、選手村から北京空港へ出発する際は、バスの窓から関係者に向かって手を振る姿があったという。斉藤常務理事は「全日本スキー連盟としても彼女のケアをするのが大事」と受け止めている。高梨は帰国せず、欧州へ移動した。