2大会連続銀メダルの平野歩夢(23=TOKIOインカラミ)が圧巻の演技で93・25を出し、予選を1位となった。

予選は25選手による2回の演技。6人の審判が100点満点で採点し、最高点と最低点を除いた4人の平均点で競う。上位12人が11日の決勝に進んだ。前回覇者のショーン・ホワイト(35=米国)は4位で、平野流佳(19=太成学院大)は3位、戸塚優斗(20=ヨネックス)は6位、平野海祝(19=日大)は9位と日本勢全員が勝ち上がった。

    ◇    ◇

1本目で2位につけた平野歩は、トップ通過を狙って2本目の1番手で登場。ファーストトリックでいきなりフロントサイドのダブルコーク1440(縦2回転に横3回転半)を見せると、続けてキャブ(利き足でない足を軸に回転)でダブルコークの1440。さらに1260、1260、1080とすべて高さのあるダブルコークでメーク。1本目トップのスコット・ジェームズ(オーストラリア)を上回ってトップに立った。昨年12月に世界で初めて公式戦で成功させた超大技のトリプルコーク1440(斜め軸に縦3回転、横4回転)は決勝の「ここぞ」の場面のために温存した。

前回の平昌五輪では、ショーン・ホワイト(米国)に敗れた。決勝で大接戦を演じたが、予選トップ通過のホワイトが最後の滑走者として会場のムードをもっていった。採点競技のスノーボードでは、競技の順番が順位を左右する場合も少なくない。それを知るからこそ、予選トップ通過が必要だった。

「まずは良かったな」と安堵(あんど)の表情。「前回よりもみんながレベルアップしている中、決勝のスタート順を気にして攻めていこうと思った」。金メダルへの決め技とされるトリプルコーク1440について「みんなやってくると思うので、そこの完成度は極めたい」と頂点を見据えた。

平野歩はスノーボードとスケートボードとの二刀流に挑み、昨夏の東京五輪で日本人としては史上5人目の夏冬五輪出場を果たした。コロナ禍による東京五輪1年延期の影響で、北京五輪への準備期間はわずか半年。限られた時間の中で雪上での感覚を取り戻し、さらに進化した。

昨年12月のデュー・ツアーで、世界初となるトリプルコーク1440を決めると、今年1月ののXゲームでも再び成功。W杯では3戦2勝と順調すぎるほど仕上げ、「想定を越している。順調に合わせられている実感はある」。北京入り直前には米国で「異常なぐらい1人で練習していた」と明かす。

14年ソチ五輪では銀メダル。18年平昌五輪でも、王者ホワイト(米国)との名勝負の末に銀メダルだった。「三度目の正直」で金メダル獲得へ。準備は整った。【奥岡幹浩】

〇…予選9位で決勝に残った平野海は、持ち味である高さのある滑りを披露。「自分的には良かったなと思う」とうなずいた。普段滑走中は音楽を聴いているが、大会直前にイヤホンが故障。「音楽がないとアドレナリンが出ず、高く飛んでいる時にびびっちゃう」というが、兄歩夢から借りて事なきを得た。「兄ちゃんの意志を受け継いだ感じだった」と笑顔で感謝した。