平野歩夢(23=TOKIOインカラミ)が、悲願の金メダルを獲得した。

1回目から超大技トリプルコーク1440(斜め軸に縦3回転、横4回転)を成功させた平野歩は3回目で96・00をマーク。逆転で初優勝を果たした。2位はスコット・ジェームズ(27=オーストラリア)だった。

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2本目とまったく同じルーティンながら点数が伸びたのは、滑走順によるところも大きい。トリプルコーク1440が勝負を分けるといわれた今大会、2本目で決めた平野歩の点が抑えられたのは、その後に続く選手が出てきた場合の「備え」。ところが、練習で成功しているとされた戸塚優斗や平野流佳、さらにホワイトやジェームズら強豪も出すことができず。最終滑走の平野歩には、ジャッジも遠慮することなく高得点が出せた。

平野にとっては、1本目のファーストヒットでトリプルコークを見せたことも大きかったかもしれない。他の選手には「トリプルを出さないと勝てない」というプレッシャーになったはず。また、大会側がこの日の決勝でパイプを修正。深さが前日までの7メートル10センチから10センチ深くなった。より大きくなったパイプでスピードも出る。大技はだしやすくなった。大会側が「トリプルコークのために作った」と言われるパイプで、平野歩が見事に決めてみせた。【荻島弘一】

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◆トルプルコーク1440 斜め軸に縦3回転、横4回転する大技。技名にある「トリプル」は縦に3回転することを指す。「コーク」とはコルクスクリューの略で、コルク用の栓抜きのように、らせん状に渦を巻く回転形式であることに由来。1440は回転数(360×4)を意味する。昨年12月のデュー・ツアーで、平野歩夢が公式戦では世界で初めて成功させた。