13日に行われたスピードスケートの女子500メートル。この競技では、黒人女性初の金メダリストとなったエリン・ジャクソン(29=米国)を見つめる、友の姿があった。
「どれだけ彼女のことが誇らしいか、言葉では伝えられないわ。彼女は本当に特別なことをやりとげ、彼女がここにいることがふさわしいことを見せてくれた」
米国のチームメート、ブリタニー・ボウ(33)。1000メートルの世界記録保持者で、1000メートル、1500メートルで世界距離別選手権など4度制覇などの実績を誇るスケーターこそが、ジャクソンをこの舞台に導いた張本人だ。
1月の米国代表選考会。代表2枠を争う500メートルで優勝したのはボウだった。対照的に今季ワールドカップ(W杯)4勝など代表が有力視されていたジャクソンは3位に終わった。数日後、ボウは決断した。「ジャクソンに枠を譲ろう」。
2人は同じフロリダ州オカラの出身で、陸上のローラースケートを通じて10代から知り合いだった。
「勝ったけど、勝利よりも考えることがあった。エリンをこの舞台のスタートラインに立たせることだった」。
五輪は1000メートルと1500メートルで勝負すればいい。
ジャクソンはその時を振り返る。
「とても親しい友人から贈り物をもらったようなもの。お互いに表彰台の頂点に立ち、その瞬間を共有できれば、それに勝るものはない」
数週間後、出場枠の再分配により米国にもう1枠が与えられ、ボウも500メートルに出場することが決まった。
ボウは16位だった。だが、親友の優勝する瞬間に立ち会えた。それが何よりうれしく、誇らしかった。
「彼女は多くの人のロールモデルになれるし、彼女が今夜、成し遂げたことは多くの小さな女の子や男の子にとってもきっかけになると思う。彼女は本当に素晴らしい人間で、アスリートですから」
2人の友情に心を動かされたのは、決して子どもたちだけではないだろう。




