12年ロンドン五輪以来12年ぶりのメダルを目指す日本(世界ランキング7位)が、21年東京五輪銀メダルのブラジル(同2位)に0-3のストレートで敗れ、開幕2連敗を喫した。自力での1次リーグ突破は消滅。今年のVNL準々決勝ではフルセット勝ちした相手に完敗を喫した要因を、男子日本代表主将でVリーグ・サントリーの監督を務めた山村宏太氏(43)が分析した。
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日本は自分たちの持ち味や戦い方を見失っていたように感じた。初戦のポーランド戦では「全選手がコートに立てたことが良かった」と表現したが、逆にこの情報開示が“あだ”となってしまったか。いつものメンバーに代わってスタメン出場した和田選手と宮部選手が、しっかりと対策されていた。これまで要所での途中出場で流れを変えてきた2人だが、先発で効果が薄くなってしまったのは痛かった。
石川選手は今かなり成長している選手で、間違いなくエースの1人。相手オポジットとのマッチアップになり決定率が20%にとどまり、第1セットで交代となってしまったが、結果的にそこから流れが悪くなってしまった。相手のローテーションを見ながらバックアタックが得意な古賀選手とローテーションを組み替えるなど、前衛で打数を増やす状況を作ってあげるのも1つの手だったように思う。もう少し長く彼女をコートで見たかった。
3セットで被ブロック10は、女子ではかなり多い数字。ミス自体は少なかったが、ブロックを恐れて攻撃が消極的になっている印象を受けた。格上のチーム相手には「ミス上等」ぐらいの気持ちで攻めていかなければならない。うまくまとめようとしすぎて、裏目に出てしまった。
自力での決勝T進出の可能性はなくなった。だが、この敗戦の経験は、今後のチームにとって決してマイナスになることはない。上に上がれるチャンスがあるのであれば、可能性を信じて戦い続けるのがアスリートの仕事。切り替えるのは、簡単なことではない。それでも、ここで気持ちを切り替えて、次のケニア戦に臨んでもらいたい。
◆山村宏太(やまむら・こうた)1980年(昭55)10月20日生まれ、東京・東村山市出身。205センチの長身ミドルブロッカーとして筑波大時代から日本代表で活躍。卒業後はVリーグサントリー入りし、08年北京五輪出場。13年は日本代表主将を務めた。17年に現役引退し、20年にサントリー監督に就任。4季連続で決勝に進出し3度優勝。23年のアジアクラブ選手権では日本クラブ史上初制覇、同年の世界クラブ選手権で銅メダルを獲得。24年に勇退。



