【パリ=阿部健吾】女子57キロ級の桜井つぐみ(22=育英大助手)が金メダルを獲得した。決勝でアナスタシア・ニキタ(モルドバ)を破り、初出場で頂点に駆け上がった。

「ここで優勝するために練習してきた。いろんな人に支えてもらってここまで来ることができて、優勝できて本当に良かった」と喜んだ。

「五輪ってすごいというイメージを捨て、いつもの練習通りに挑みたい」と心掛けてきた。高知県出身で父が設立した高知レスリングクラブの1期生。「自分たちは四国なので関東などから遠い。人数がいっぱいいたわけでもないし、すごい強い選手が前にいたわけでもない。でも目標を目指して、夢を目指して、先生方もすごい一生懸命だった」と述懐する。大学への遠征機会などは貴重で、「自分自身が強くなるために、必ず何かを吸収する。それで戻って練習する。田舎だからこそのハングリー精神があったのかなって思います」と来歴を語っていた。

パリの舞台で、21年の55キロ級も含めて世界選手権3連覇中の実力をいかんなく発揮した。準決勝後には故郷の高知県は南海トラフ巨大地震への不安に襲われ、「皆さんにいいニュースを見てもらえたら」と奮闘。さまざまな思いを力に変え、夢の金メダルをつかみにいった。

なお高知県出身者としては、1932年ロサンゼルス五輪の競泳男子1500メートル自由形・北村久寿雄以来、92年ぶりの金メダルとなった。