一山麻緒(22=ワコール)が冷たい雨が振り続けたレースを歴代4位の2時間20分29秒のタイムをマークして優勝。大阪マラソンの松田瑞生(ダイハツ)の2時間21分47秒を上回り、前田穂南(天満屋)、鈴木亜由子(日本郵政グループ)に続く五輪代表の座を手にした。

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3年前の大会で2時間21分36秒という初マラソン日本最高記録という衝撃的な快走を見せた安藤友香(25=ワコール)が復活の兆しを示した。

2時間22分41秒で2位。腕の振りを最小限にする代名詞の「忍者走り」で、先頭集団でレースを進めた。30キロ付近で、離されたが、失速は最小限に抑えた。「悔しい気持ちと、出し切った気持ちの半々」と振り返った。

実力以上の力が出た過去の自分の姿を追求し、苦しんでいた。17年世界選手権も17位。MGCには出場したが、本来の力は影を潜め、昨年2月には移籍も経験した。ワコールでは経験豊富な福士とも練習。「考えすぎ」と言われた。不調で焦りが先行した時も「私もそんな時あるよ」と励まされた。悩みを共有できると、気持ちも楽になった。徐々に本来の力が戻ってきた。「吹っ切れるきっかけになった」。東京オリンピック(五輪)には届かなかったが、その表情は明るかった。