ソフトバンク柳田悠岐外野手(32)が16日、東京五輪の侍ジャパンに選出され、金メダル貢献への決意を語った。日本代表入りは、18年の日米野球以来5度目で五輪は初めて。両アキレス腱(けん)のコンディション不良でリハビリしていた2月から、激励し続けてくれた稲葉篤紀監督(48)に「結果で恩返しを」と誓った。ソフトバンクからは甲斐拓也捕手(28)と外野手登録で栗原陵矢捕手(24)も選ばれ、奮闘を誓った。

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ペイペイドームで全体練習を終えた柳田は、喜びを隠せなかった。「僕とは無縁だと思ってましたけど、縁がありましてって感じですね」。東京五輪の侍ジャパンに内定。「まさかオリンピックに出るなんて思ってなかった。うれしかったです」。代表経験は5度あるが、五輪は初出場。柳田は、野球少年のように胸を躍らせた。

五輪内定選手の発表会見で、稲葉篤紀監督(48)は柳田を「中心選手だと思っています」と期待を寄せた。柳田も高ぶる感情を抑えられず、ギータ節も飛び出した。「自らの野球の集大成だと思って。(今季は)あまり走ってないですけど足にも自信はあります。自分のできるプレーをすべて出したい」。金メダル獲得への貢献あるのみだ。

今春のキャンプ。両アキレス腱(けん)のコンディション不良でリハビリをしていた時、稲葉監督から「焦らずいい状態を作ってくれ」と励ましの言葉を受けたという。「いいプレー、いい結果を出して恩返しできたら」。負傷していた状況でも代表選手として期待を寄せてくれた指揮官に、走攻守で応えるつもりだ。

代表メンバーで32歳は、楽天田中将や巨人坂本らとともに最年長になる。輝かしい同世代がチームメートとなることに「そんなすごいメンバーに入るのが信じられない。一緒のチームで野球ができるのはすごく楽しみ。野球人生の財産になると思うので、1分1秒を無駄にせずやっていきたい」と気合を入れた。4年連続日本一軍団の主砲が、世界相手にその名をとどろかせる。【只松憲】

◆柳田と日本代表 過去の五輪、プレミア12、WBCなどは、けがも重なって選出経験なし。今回の東京五輪が主要な国際大会では初の選出となった。代表入りは14年の日米野球、15年の欧州代表戦、18年の「ENEOS侍ジャパンシリーズ」のオーストラリア戦と日米野球に次いで5度目。18年の日米野球第1戦(東京ドーム)では、1点差の9回にサヨナラ2ラン。翌日の試合では、2戦連発を含む4安打4打点の大暴れだった。14年の日米野球でも20打数6安打で打率3割、4打点の活躍。大会M5Pにも選出された。

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