東京オリンピック(五輪)聖火リレー福島県2日目の26日、桑折町の中1、高野心平さん(13)が家族3代目となるランナーを務めた。祖父忠一さん(74)は64年東京五輪聖火ランナー、父公平さん(44)は98年長野五輪聖火ランナーだった伯父進さん(47)の伴走ランナーを務めた。高野家では、次の代以降も聖火ランナーを目指してほしいと、“代々のリレー”を願っている。

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心平さんは福島市第19区間に登場。“3世代ランナー”のバトンも受ける形で200メートルを走りきった。「緊張して疲れましたが、ようやく(家族3代での聖火リレー参加を)達成できた。待ちわびていました」。肩の荷が下りたようなホッとした表情を見せた。

聖火ランナーには父公平さんが応募。心平さんは当初は乗り気ではなく、ランナー決定後、緊張でおなかが痛くなることもあった。公平さんの話を聞くうち、3代目の重みを感じるようになった。「3世代続けて走りたい。途切れさせたくない」。1年延期が決まった際は「悲しいけど、あらためて走れるなら」。気持ちをすぐリセットした。

この1年で心身共に成長した。20年4月に桑折町内の中学校に進学。ゲーム好きのインドア派だったが、週5日練習を行う卓球部に所属。「勉強も部活もあって帰る時間が遅くなったり、メチャクチャ忙しい」と充実した日々を送る。

公平さんは息子の成長に「いらいらしたり、不安げなことが少なくなった。勉強や部活も成果を出しながら頑張っている」と目を細めた。部活動で体力がついたため、走行練習を再開したのは直前の2週間前。トーチと同じ重さのおもりを右手首につけて練習した。

沿道では両親、祖父母、伯父進さんらが見守った。祖父忠一さんは「かっこよかった。堂々としていた」と孫の力走をたたえた。家族3代にわたり、ランナーを務めたことは「息子も孫もよくやってくれた」とねぎらった。公平さんは「3世代続いたのは光栄。心平にいつか子供ができたら、ぜひ次の五輪も続いて走ってほしい」。進さんも「高野家としては、今後もずっと続けて走らせていただければ」。それぞれ一家の次世代以降の聖火リレー参加を期待した。【近藤由美子】