新型コロナウイルスの感染の勢いが止まらない中、“コロナ保険”付きという異例の東京五輪公式観戦ツアーの販売が始まった。

JTBが24日、各支店の店頭と電話による受け付けを開始した。最長で17泊18日、開会式からスタートして柔道、体操競技、ソフトボールや卓球、サッカー、野球など12種類の詰まった246万円の豪華コースも含まれる。

コロナ禍中で開催される五輪だけに適用される保険項目には、コロナウイルスの感染対策に配慮している。世界的なスポーツイベントの観戦ツアーでは聞き覚えのない「一時金」「お見舞金サービス」という言葉がパンフレットの中に登場する。

ツアー開催中にコロナ感染した場合、発病した本人と濃厚接触者となる同行者は観戦ができなくなるため、診療・治療の料金もかかるためJTBが3万円の一時金を支払う。ツアー終了後14日以内の発病でも本人に一時金が支給される。

また、観戦直前に発病し観戦ができなくなった参加者には「お見舞金」としてキャンセル料金が全額が返金される。3週間前ならばキャンセル料金は発生しないが、14日前では20%のキャンセル料が発生してしまう。JTBでは「生まれ育った国で開催される五輪を観戦できるチャンスなど一生にあるかどうかも分かりません。『コロナ感染さえなければ観戦できたはず』といった状況になった場合に備え、保険を商品に盛り込みました」と説明した。

五輪開催可否の結論は出ておらず、観戦ができない「無観客試合」もJTBは想定している。別競技への代替はできないが、複数競技を観戦するプランで一部競技が無観客試合になる場合、ツアー自体は継続するが、観戦不可能となった競技のチケット料金は返金する、としている。【寺沢卓】