日本に体操個人総合の金メダル候補が誕生した。東京五輪代表選考会を兼ねた大会で、19歳の橋本大輝(順大)が合計173・365点を出し、大逆転で初優勝した。予選7位から、決勝は計6種目で88・532点。19年世界選手権優勝者に僅差で、今夏の東京で頂点も見える進化を示した。五輪2連覇した内村航平(32)が鉄棒に専念する中、後継者になる。今大会の得点を持ち点として争う5月のNHK杯(長野)で、上位2人が入れば、五輪出場が決まる。

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<橋本大輝 はしもと・だいき>

◆生まれ 2001年(平13)8月7日、千葉県成田市生まれ。3人兄弟の末っ子で、長男拓弥さん、次男健吾さんが通っていた「佐原ジュニア体操クラブ」で6歳で競技を始める。

◆戦績 市船橋高で18年高校総体個人総合優勝など。19年世界選手権では白井健三に続く史上2人目の高校生代表で団体銅メダルに貢献。

◆1本 ここぞの集中力は中学まで通った佐原ジュニアで。ケガ防止用にクッションが詰まるピットがなく、常に緊張感を伴った。いまも「僕はピットで1本通ったら次は絶対に陸(ピットなし)で通す」。

◆無限君 中学まで世代別代表経験なし。高校入学後に急成長。市船橋高の大竹監督は「体力は『無限君』。1回の練習で何度も試技できる体力、やれるまで粘れる精神力に目を見張った」。高3時の技構成の90%は2年間で習得した。

◆目標 あこがれは16年リオ五輪団体総合金メダルメンバーの田中佑典で「小4で初めてテレビで見てきれいだと」。

◆得意種目、サイズ あん馬、跳馬、鉄棒。164センチ、54キロ