内村が見据える先は順位、得点ではない。「満足いく演技をまだ追求していかないといけないのかな」。4月の全日本での2回に続き、3回目の15点超え。1枠を6種目のスペシャリストが争う国内選考でも、暫定の首位タイとしたが、着地とともに唇をかんだ。H難度ブレトシュナイダーなどは「失敗しないことが前提」で、バー上の倒立の角度などに不満が残った。好材料を探せば、「最後の着地まで集中できた」と収穫もあるが、それでは納得しない。残りは6月の全日本種目別での2回の演技で、跳馬の米倉など他種目のライバルも好結果を残すが…。「五輪等より、はやく自分の満足する演技を国内で出しておきたい」。1人、別次元を進む。

◆個人枠の代表選考 6種目のスペシャリストが最大で2枠を争う。内村が該当する枠は1枠で、全日本選手権、NHK杯(5月、長野)、全日本種目別選手権(6月、高崎)の3大会の選考会で代表権がかかる。各演技の得点を国内外の大会での得点を元にして日本協会が作成する世界ランキングにあてはめ、順位ごとにポイントを与え、5試合の総合ポイントで競う。1位かつ0・2点差以上は40点、1位は30点、2位は20点と続く。6種目の中で1位になった選手が代表に決まる。