2020年東京オリンピック(五輪)・パラリンピック大会組織委員会は4日、感染拡大を続ける新型コロナウイルス対策を踏まえた聖火リレー基本方針を発表した。国際オリンピック委員会(IOC)理事会へテレビ会議で説明した後、組織委の森喜朗会長が取材に応じ「いろんな世論に耳を傾けながら丁寧に(聖火リレーを)やっていきたい」と述べ、リレーは中止せず、予定通り実施する考えを示した。

基本方針には都道府県の聖火リレー実行委と組織委が都度、協議した上で、必要であれば沿道観覧の自粛を要請することや、「セレブレーション」と呼ばれる日々の到着式でも、地域の状況に応じて観客の入場規制を敷くなどの対応策が盛り込まれた。ランナーやスタッフらに検温も実施する。リレーの実施方法は遅くとも1週間前に決定する。

子ども約200人と一般客約420人らの参加を見送る方針の聖火到着式(20日)や、福島・Jヴィレッジでの出発式(26日)の対応策は近日中に発表する。

IOC理事会では、トーマス・バッハ会長とジョン・コーツ調整委員長が「7月24日に東京五輪が開幕すると確信している」と強調したという。それを受け森氏は「力強い発言で、我々も安心した」と語った。【三須一紀】