国際オリンピック委員会(IOC)と東京オリンピック(五輪)・パラリンピック大会組織委員会が、東京大会の延期検討を認めた。

年内、1年、2年と延期の時期は決まっていない。どの時期に延期するにせよ、さまざまな課題が発生する。

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1年延期が妥当と考える。五輪予選の延期、中止が相次ぎ、選手にとって、既にトレーニング→選考会→本番という五輪イヤーの流れは崩れた。まずここ2カ月の空白を取り戻す練習期間が必要。今年中の開催ではロスを埋めるのが精いっぱいで実力の上積みは困難、新型コロナウイルスの行方も不透明だ。一度延期を決めた後で再延期となれば、最悪で中止もちらつく。

21年は7月に福岡で水泳世界選手権、8月に米国で陸上世界選手権がある。ただ両大会は国際競技団体に決定権がある。延期に伴う痛みを開催地に求めるなら、IOCは責任をもって国際水連、世界陸連と日程を調整する必要がある。

2年延期は、選手の力関係が変わってくる。あるベテラン選手は「私個人のことだけでいっていいのであれば(今夏に)やってほしい」と訴えていた。多くの選手が20年に近い状態で五輪に臨むには1年がリミットと考える。【益田一弘】