国際オリンピック委員会(IOC)の理事会にオンラインで出席後、大会組織委員会の森喜朗会長が10日夜、都内で会見に応じた。

新型コロナウイルスの影響で来夏に延期した東京五輪の開催可否判断について「仮定のシナリオを臆測し論じるのは時期尚早。必要に応じてIOCなど関係者とよく相談したい」と話し、さまざまな臆測が飛び交っている状況について火消しした。IOCともこの点について共通認識を得たという。

開催可否の判断時期については東京大会を監督するIOCのジョン・コーツ調整委員長が「10月が重要な時期になる」と話す一方、組織委の遠藤利明会長代行は来年3月ごろになるとの見解を示していた。森会長は「アスリートも含め動揺があったことは間違いない。慎重に対応したい」と述べた。

一方、理事会では延期による追加経費について削減の考え方などをIOCと確認した。国民・都民から理解を得ることが必要だとし「大会関係者への参加者の削減要請」「予算影響の大きい分野のコスト削減」「会場ごと、関係者ごとのサービスレベルの見直し」「大会関連イベントの再検討」と、4つの削減方針を示した。

21年大会用の新ロードマップも公表した。大会1年前となる7月までに、全43競技会場と競技スケジュールを決定する。サービス水準の見直しは12月までとし、時間をかける。新型コロナ対策は今秋から年末に検討する。年明けからは具体的な大会実施準備に入る。

大会が目指す新たな方針も掲げ「参加者にとって安全・安心環境を提供する」「延期費用を最小化する」「大会をシンプルなものにする」と3つの柱が盛り込まれた。【三須一紀】