国際オリンピック委員会(IOC)最古参のディック・パウンド委員(78=カナダ)がこのほど電話インタビューに応じ、新型コロナウイルスで来夏に延期された東京オリンピック(五輪)の簡素化について、検討すべき課題の1つとして観客削減を支持した。一方で「日本のファンのみで実施するのはIOCが理解している五輪の本質でない」とも指摘した。

バッハ会長も観客削減は「シナリオの1つ」と認めている。課題についてパウンド氏は「五輪は世界から人々が集結することに普遍的な意義がある。1年後、世界各国の日本への入国制限がどうなっているか分からないが、国ごとに科学的根拠に基づいて決断する必要が出てくるかもしれない」と述べた。来夏に開催できない場合について「再延期ができないのは明確。東京五輪の21年開催は残された唯一のチャンスだと思う」と従来の考えを述べた。