安倍晋三前首相(66)が日刊スポーツの単独インタビューに応じた。最終回の3回目は、あふれる「アーチェリー愛」を語り尽くす。1日に約8年ぶりに全日本アーチェリー連盟会長に復帰した。成蹊大時代に体育会アーチェリークラブに4年間所属しており、実体験を交えて競技を語ることのできる存在。会長復帰にあたり、OBや現役生からは期待の声も寄せられている。【聞き手=平山連、三須一紀、近藤由美子】

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安倍会長と共に学生時代競技に打ち込んだOBたちも、会長復帰を歓迎している。成蹊大で1年先輩に当たる江間敏彦さん(66)は裏方の仕事を積極的にこなしながら、練習熱心だった姿を覚えている。各運動部の予算割り当てなどを担う体育会で会計担当を務めながら「(安倍会長は)講義の合間には大学構内にある射場でノルマをこなしていました。何事にも手を抜かず非常に努力家でした」。上級生になると、元気がなさそうな部員に声を掛けるなど後輩思いな姿も記憶に残っているという。

同期の春山高広さん(65)は学生時代、食事を一緒にしたり、休みの日にはスキー旅行に出掛けたりした。「リーグ戦の後には(安倍会長の)家に泊まって、夜な夜な反省会をしましたね。(安倍会長は)冗談とサプライズが好きな方」。16年リオデジャネイロ・オリンピック(五輪)閉会式で“安倍マリオ”で登場したことを「彼らしいなと思いました」。場を盛り上げる行動力を、引き続きアーチェリー界でも発揮してもらいたいと願った。

母校の射場では、今も変わらず現役生が練習に励む。主将の榎本光さん(3年)と女子リーダーの真喜志理花さん(3年)はコロナ禍で勧誘活動がほとんどできず、新入部員獲得に苦労している状況を明かす。会長復帰した先輩に刺激を受ける2人は「他の大学でもアーチェリーをする人が少なくなっている感じがします。安倍会長の復帰で、競技をやってみる人が増えたらうれしいです」と同じ思いを口にした。