東京五輪・パラリンピック組織委員会が12日、都内で評議員、理事らによる臨時の合同懇談会を開き、新会長を選ぶ「候補者検討委員会」を立ち上げることを決めた。議論が白熱し、約100分遅れで始まった会見。武藤敏郎事務総長(77)が「国民にとって透明性のあるプロセスでないといけない。説明責任を果たすべき」と経緯を説明した。

公平性を保つため「外部からの干渉がない」も1つの条件。議論は、森会長の退出後に行われた。キヤノン代表取締役会長兼社長CEOで、組織委の名誉会長を務める御手洗冨士夫氏が委員長となった以外はメンバー非公表。武藤氏によると委員の数は「1桁」で「男女半々、アスリート中心に。国、都、JOCの関係者にも入っていただきたい」といい、多角的な判断ができる構成を目指す。全員が理事である必要がある。

新設の検討委メンバーは週明けに選ばれた後、候補者の選定を進め、最後は理事会の互選で次期会長を決める。出席した理事によると、組織委は来週中に臨時理事会を招集し、選出したい方針という。政府、IOCや国民、そして会議の中で理事から出た「透明性の確保が重要」との指摘に沿うよう民主的に決定する。

新会長の資質については「五輪・パラリンピックについて何らかのご経験が必要だろう。ジェンダーイコーリティー(男女共同参画)についても認識度が高い方がいい」と武藤総長。候補に挙がっているオリンピアンの橋本五輪相と一致するのでは、との質問には「条件を満たす方は、おられると思う」。早期の空白期間解消に期待感をにじませつつ「性別の議論は必要ない。適任者を選んでいただく。開催準備に1日たりとも遅滞が生じてはいけない」との認識を強く示した。

来月22日の理事会までにメンバーの女性比率を高めていくことも約束。副会長など、現在は不在の幹部に女性を登用する必要性にも迫られている。【木下淳】