東京オリンピック(五輪)・パラリンピック組織委員会の橋本聖子会長(56)が18日、都内で会見し、開閉会式の演出を統括するクリエーティブディレクター佐々木宏氏(66)が不適切な演出案の発想で辞意を表明した騒動について、事実関係等の調査結果を報告した。橋本会長は冒頭、本人からの辞意を受け入れたことを明らかにした。佐々木氏は正式に辞任となった。

佐々木氏の発言について、橋本会長は「女性蔑視と取れる発言。容姿を笑いものにする発言は大変不適切。絶対にあってはならない」と述べた。17日夜に佐々木氏と電話をして事実関係を確認した。慰留したい気持ちもあったが、佐々木氏自身の強い意向で辞意を受け入れた。IOCのジョン・コーツ氏にも電話で経緯を説明したという。

MIKIKO氏が辞意を申し出たことについて、武藤事務総長は「MIKIKOさんから辞意の申し出があったのは事実ですが、慰留をしました。MIKIKOさんのことについて我々から発表する立場ではない。MIKIKOさんも含めて、全員の意向で佐々木体制に移行した」と話した。

文春オンラインが17日、佐々木氏が演出チーム内のLINEに開会式に起用予定だったお笑い芸人、渡辺直美(33)が豚に変身する演出案を送っていたと報じた。豚にかけて「オリンピッグ」などと書き、豚の絵文字まで使っていたことがチーム内の批判を浴び、撤回に追い込まれた。この報道を受けて組織委は同日深夜、佐々木氏の謝罪文を公表。文書には「あと数カ月に近づいた五輪パラの開閉会式を日々、死にものぐるいで準備するメンバーにも、本当に申し訳ない。先ほど、橋本会長にお電話で辞意をお伝えしました。渡辺さんにはおわびをしてもしきれないと思っています」と書かれていた。