東京オリンピック(五輪)・パラリンピック組織委員会は10日、都内で大会ボランティアの役割別研修を行った。ドーピング検査の運営をサポートする「シャペロン」の研修が報道陣に公開された。約160人がオンラインで参加。受講者たちは、新型コロナ禍で行われる五輪開催中に取り組む上での注意事項を確認した。

講師を務めた日本アンチ・ドーピング機構(JADA)の飯塚信之氏らがシャペロンの役割や活動内容を伝え、受講者たちは確認テストで内容を振り返った。

対象となった選手に通告してドーピング検査室にまで連れて行く際、飯塚氏は「あまり近づきすぎず、見失わない程度で行ってください」とコロナ対策を意識して臨むよう呼び掛けた。

「選手から着替える際に見ないで欲しいと拒否されたらどうしますか」と質問があり、飯塚氏は「共に見守らせていただくとご説明し、どうしてもダメと言われたら、(上役に当たる)シャペロンコーディネーターに報告してください」。尿意を我慢できないと言われた時にも上役に相談するのが適切で「すぐに連れてくるよう対応しますので、くれぐれもトイレに行かせないようにしてください」と伝えた。

受講者の栃木・宇都宮市内に住む薬剤師、後藤弘子さん(60)は変異株の状況やワクチン接種ができるかどうか不安もあるが、「研修を受けて理解が深まった。今から7月23日を迎えるのが楽しみ」。静岡県伊東市の会社員、武智延良さん(65)は「オリンピックに関われることをワクワクしています」と話した。

シャペロンのオンライン研修は計800人が受講する予定で、その後には都内で対面研修をして大会に備えていく。【平山連】