国際オリンピック委員会(IOC)理事会が21日、オンラインで行われ、東京オリンピック(五輪)・パラリンピック組織委員会がテレビ電話会議システムでプレゼンテーションを行った。

終了後、都内で組織委の橋本聖子会長(56)と武藤敏郎事務総長(77)が取材に応じた。新型コロナウイルス禍の中で、東京大会の開催を目指して対応策を協議した理事会。日本パートの開始の遅れと質疑応答が予定より長引いたといい、ちょうど予定の1時間後に始まった。

緊急事態宣言の発出が近づいている状況について、橋本会長は「IOC側も報道を通じて知っていたようでした。我々はゴールデンウイーク中にテストイベントを行う予定。(緊急事態宣言が)出されても出されなくても、万全の体制で。発出された場合は、今の段階でしっかり安心安全のために、コロナを早い段階で封じ込める対策については賛同させていただき、対応に努めていかないといけないと思っている」と説明した。

発出されれば、国民からの不安はさらに高まる。大会の中止を検討はしないのか、国民への説明は、と質問されると再び橋本会長が答えた。「それぞれの自治体において、大変な状況に置かれている中で、国民の皆さまにも大変はご心配をいただいている。その中で聖火リレー、さまざまな状況を見ながら、聖火をつないでいただいている。緊急事態宣言が発出されれば、国民の心配はさらに高まるでしょうが、組織委が、不安をどのように払しょくしていけるのか。1人でも多くの方に(感染を拡大させない)行動を取っていただく。安心、安全の東京大会に向けてプレーブックも含めて。コロナ感染症の対策は医療対策、自治体との連携も深めながら、どれだけ組織委が対策を講ずることができるか。今後、プレーブック第2版を発表するので打ち出していきたい」。「中止」には触れなかったものの、開催に向けた意欲を示した。【三須一紀、木下淳】