04年アテネ五輪(オリンピック)陸上男子ハンマー投げ金メダリストで、スポーツ庁の室伏広治長官(46)が23日、東京・霞が関で記者会見した。

新型コロナウイルス感染が収まらず、政府が東京、大阪、京都、兵庫の4都府県に3度目の緊急事態宣言を発令する方針について「感染が抑えられるよう、スポーツ界も協力していく必要がある」と述べた。

再度の緊急事態宣言で、アスリートにも「またか」という声、不安や開催への懸念がある。メッセージを要望されると「既に1年、延びてしまった影響を受けている。4年にたった1回のチャンスに向けて努力してきて、延期。そして今はコロナと闘いながら、やっていただいている。本当に頭が下がります。我々もハイパフォーマンスセンターなどを通じてアスリートの支援を続けたい」とした。

今月上旬、難病の「悪性脳リンパ腫」と闘っていると報じられたことには「プライベートに関することなので控えさせていただきたい。皆さんのご協力の下、公務に支障がないようにやっていく」と話すにとどめた。

一方、白血病から復帰した競泳女子の池江璃花子(20=ルネサンス)が、東京五輪の400メートルリレー、400メートルメドレーリレー代表になったことについては「白血病による長期療養から、こんなに早く復帰してリレーのメンバーにまで選ばれるなんて。誰も考えた方はいなかったと思います。彼女と、また周りの方々が本当に努力をされて成し遂げたこと。多くの方に勇気を与えたことだったと思います」。快挙の直後もSNSで祝福していたが、あらためて称賛した。

続けて「とは言ったものの、彼女は出場権を得たわけですから」と、過去は通過点として成績が求められる本大会へエール。「精いっぱい、東京五輪に向けて頑張っていただきたいし、多くの方に、また勇気や希望を与えていただけるんじゃないかと思っています」と期待した。【木下淳】