04年アテネオリンピック(五輪)陸上男子ハンマー投げ金メダリストで、スポーツ庁の室伏広治長官(46)が23日、東京・霞が関で記者会見した。

新型コロナウイルスのワクチン接種についてはまず医療従事者、高齢者、基礎疾患を有する方々が優先との姿勢を強調。その上で「必要な方々にワクチンが行き届く担保があれば、アスリートも接種すべきだとは思いますし、希望があれば打たせてあげたいですけど、現段階では…(厳しい)」とアスリート優先の考えは現時点では否定した。

東京大会に向けては「厳しい防疫措置を取って、ワクチンがなくても大会が行える取り組みを前提にしています」と従来の準備状況を説明し「ワクチンを打つにしても、医療従事者に渡る分を(先に選手側が)取ることはない。スポーツ庁の立場としては(アスリートにも)順番が回ってくるのであれば。ただ、ニュース等で見させていただいてますが、まだ行き届いていないのが現状」と述べた。

この日は東京五輪の開幕(7月23日)まで、ちょうど3カ月。所感を求められると「いかに、この感染を抑えるか。協力していく先に東京五輪・パラリンピックがあると思うので、組織委員会、IOC(国際オリンピック委員会)、IPC(国際パラリンピック委員会)、政府、東京都が一体となって取り組んでいく」と語った。【木下淳】