コロナ禍の東京オリンピック(五輪)開幕まで3日で50日となった。大会組織委員会の橋本聖子会長(56)が2日、日刊スポーツの単独インタビューに応じ「中止、再延期はない」と断言した。

選手村への酒類の持ち込み、開閉会式のイメージ等に関する一問一答は以下の通り。

―選手村への酒類の持ち込み、ケータリングで注文可能な現状について

「過去大会と変わらない。今後、ルールが変わる可能性はあるが、選手村はアスリートの大会中の自宅。決められた場所、量であれば現状は飲酒可能。当然、食事会場など公共スペースは禁止で、好きな分だけ持ち込めるわけでもない。選手村内での販売もしない。自宅(居室)の中で楽しむ程度という理解。今後さらに厳しくするかどうか。祝勝会など普通はできない」

―五輪開幕まで2カ月を切った。開閉会式、最終聖火ランナーのイメージは

「最終的にはIOCが決定する。組織委が式典や最終点火者の人選を提案しても許可されなければ。開閉会式は当初計画と大きく変わった。簡素化、縮小された中、光るものをどこに持っていくか。世界から注目される場面なので、より良いものをと議論している」

―実際に国立競技場で入場行進してもらいたいか

「希望者は。体調に配慮したアーリーデパーチャー制度もロンドン大会から始まった。入場行進後、退席していいルールなので検討してほしい。まだ数は分からないが、大会中盤、後半の種目の選手は(試合5日前まで)選手村に入れないので人数は必然的に減る」

―オンラインで開閉会式に参加するプランなど現状はどうなっているのか

「応援態勢も含め、どういう風にすればいいのか。日本の技術力を世界に見ていただくことも考えたい」

―政府分科会の有志がステージ4であれば開催困難では、との意見をまとめようとしている。考えは

「安全な対策を打って開催をすべきだ、という声なんだと受け止めています」

―来日するオリパラファミリーが減っていない資料が示された。削減できるか

「配偶者はお連れいただかないことにしたが、その数字が反映されていなかった。まだまだ削減される」

―ワクチン接種。会長が率先して打つことで大会関係者の優先への後ろめたさ等を緩和させる思いは

「選手と密接に仕事をしていただく方々が先。別枠で提供されるものなので安心し、できるだけ早い段階で接種していただきたい」

―中止や延期を望む声が大きい中、別枠とはいえワクチン優先接種をためらう選手もいる。開幕50日前に、選手のケアやメッセージ発信で考えていることは

「アスリート委員会を通じて、メッセージは常に出させてもらっている。選手は、いろいろなところからあらゆる情報が入ってきて悩みも非常に多い。直接、伝えた方がいいと言われたので、国内外のアスリート委員会のオンライン会議に出席させていただき、メッセージを出させていただいた。日本ではJOC(日本オリンピック委員会)とJPC(日本パラリンピック委員会)をはじめとする団体のアスリート委員会で。今後も細かく発信していきたい。アスリート委員会を通じて行えば直接、伝わっていく。続けていきたい」

 

◆橋本聖子(はしもと・せいこ)1964年(昭39)10月5日、北海道早来町(現安平町)生まれ。64年東京五輪開会式の聖火に感激した父善吉さんが聖子と命名。3歳でスケートを始める。五輪は冬季にスピードスケートで4度、夏季は自転車で3度の計7度出場。92年アルベールビル五輪女子1500メートル銅メダル。95年参院選自民党比例区で初当選。19年9月から21年2月に組織委会長に就任するまで五輪相を務めた。

橋本会長「一問一答」<1>はこちら―>

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