セーリングも、ようやく本格始動だ。東京オリンピック(五輪)でメダル候補の470級の全日本選手権が、神奈川・江の島ヨットハーバー沖で11日開幕した。

18年世界選手権金メダルで、東京五輪女子代表の“よしよし”ペアこと、吉田愛(40)、吉岡美帆(30=ともにベネッセ)組が、男子に交じって、開幕レースでいきなり首位で発進した。

吉田は「レベルアップを目指してきて、どのぐらい戦えるか」と話していた。しかし、ふたを開ければ、男子を置き去りにし、最初の開幕レースで1位。続く2レース目は4位で、総合でも4位で第1日を終えたが、「やってきた成果が出た」と手応え十分の初日となった。

新型コロナウイルスの感染拡大で自粛期間中、2人は、体力のパワーアップに努めた。特に、力仕事が大きな役割のクルー、身長177センチの吉岡は「最大10キロほどパワーアップ」と、筋トレの負荷が増量。パワーを必要とし、苦手の追い風でも、吉岡のパワーアップ分、「手応えがあった」(吉岡)と、男子を引き離す場面もあった。

コロナ禍で、海外での大会に出場することが難しい。ライバルの英国やスペインなど「海外の選手の成長が確認できない」(吉田)という悩みはある。ただ、日本選手最大のメリットは、五輪会場が、地元江の島ということだ。「今までやってきたことを出し切る」(吉岡)。それが来年の五輪につながる。