東京オリンピック(五輪)の聖火リレーは17日、新型コロナウイルスの緊急事態宣言が発令中の広島県に入った。

2日間の日程で行われ、広島県全域で公道での走行は中止される。初日は、広島市の平和記念公園(広島市中区)で無観客の中、走らずに聖火を受け渡すだけの「トーチキス」を実施した。

広島県三次市を走る予定だった16年リオデジャネイロ五輪の競泳女子200メートル平泳ぎ金メダリスト金藤理絵さん(32)はトーチキスに参加後、「公道での聖火リレーは地域の方がオリンピックを身近に感じることができる機会だったので、中止になり残念」と話した。それでも「平和を象徴する平和記念公園でトーチキスをできたことは、違った気持ちを持ってこの場所に立つことができた」と感慨深げに話した。

新型コロナウイルスの感染拡大が収束せず、東京五輪開催に向けて賛否両論の意見があるが、「いま選手たちは開催されることを信じて、頑張っている。無事に開催してほしい。選手はいろんな覚悟を持って、1日1日を過ごしているので、その気持ちをどんな形であれ、発信していってほしい」と話した。

国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長が同公園での関連式典に出席する予定だったが、国内での新型コロナウイルスの感染拡大などで来日が見送られた。