17年世界選手権王者の高橋侑希(27=山梨学院大職)が16年リオデジャネイロ五輪銀メダリストの樋口黎(25=ミキハウス)を破り、初の五輪出場を決めた。

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樋口は敗北のブザーを聞くと、マットに突っ伏した。「申し訳ない気持ちでいっぱいです」。4月のアジア予選で計量失格。あと50グラムが落とせず、絶好機を逃した。その後、世界最終予選で高橋が枠を獲得した。自分は失態、高橋は救世主。湯元コーチからは「みんなが枠を取ってきた人の味方だ。負けているところからのスタートだと思ってやれ」と諭されていた。2大会連続はならず、「しっかり心を休め、これからどうしていくか、気持ちの整理を付けながら考えたい」とした。

◆東京五輪代表決定プレーオフ 日本協会の選考基準では、19年世界選手権でメダル獲得者を内定、5位以内の選手が同年末の全日本選手権で優勝すれば内定だった。世界選手権で枠を獲得できなかった場合は、全日本優勝者を五輪予選に派遣。フリー57キロ級は高橋が世界選手権で枠を逃し、全日本覇者の樋口がアジア予選で計量失格に。世界最終予選で1位となった高橋と、樋口のプレーオフで代表を決める運びとなっていた。