【激白45分】吉田輝星の超特盛1万3131字 鎌ケ谷で見つけた光明/連載〈10〉

日本ハム吉田輝星投手(22)の「45分間の激白」を公開します。5月11日にイースタン・リーグDeNA戦(鎌ケ谷)で先発した吉田投手は4イニングで61球を投げ、2安打2失点(自責0)。降板後に田村藤夫氏(63)から直撃取材を受けた内容は「プレミアムリポート」で同22日から3回連載で公開されましたが、実はその後に入団時から担当していた遊軍記者にもたっぷりと現状を語ってくれていました。田村氏のインタビュー取材後に吉田が語った「1万3131字」です。

プロ野球

◆吉田輝星(よしだ・こうせい)2001年(平13)1月12日、秋田県潟上市生まれ。小3から天王ヴィクトリーズで野球を始める。金足農では1年夏からベンチ入り。3年夏は、秋田大会から甲子園準決勝まで10試合連続完投勝ち。決勝では大阪桐蔭に敗れたが、金農旋風を巻き起こした。大会通算62奪三振は歴代6位。U18アジア選手権日本代表。18年ドラフト1位で日本ハムに入団。4年目の昨季は、主に中継ぎとして51試合に登板し2勝3敗5ホールド、防御率4・26。今季推定年俸2000万円。175センチ、84キロ。右投げ右打ち。

開幕から2軍「徐々に戻ってきてる」

――今季初めて4イニングを投げました

吉田この前(5月6日ヤクルト戦で中継ぎ登板して3イニングを投げて2安打無失点)もですけど、なんかもう本当、1イニングだったら去年みたいにピュンピュンピュンピュンいきますけど、やっぱイニングを投げると、だんだん力も抜けてきて。

まあ後半にっていうか、投げてるイニングごとに、なんか真っすぐの感じが良くなっていってるかなっていう感じは、ちょっとありました。けど、先発調整してるわけじゃないので。

まあでも、今年(先発か中継ぎか)どっちでやるにも、フォーク以外にも最低カウントを絶対に取れる球種(が必要)。欲を言えば、カウントが取れて、それを決め球にもできるみたいな変化球が1つ欲しいなっていう。

フォークはあんま、カウント取りには向いてない。真っすぐとフォークで(相手打者の待ち球が)分かれるより、やっぱカットボールとかあった方がいいなって思いながら最近やっていたんすけど。

ま、ちょっと日数も空いたんで、カットボールをせっかくなんで(練習)。

長いイニングになると真っすぐとフォークだけだと、さすがに難しいんで。試しにカットボールを投げてみたら、左のインコースでもファウル取れるし、もともと悪い時は真っスラなんで、右バッターはついて(反応して)きてくれて、そのままショートゴロになった。2ストライク1ボールとか、あとバッティングカウントの時のカットボールっていうのは、結構今日使ったんですけど、1球もなんか感じがいい当たりは打たれてないし。

今日ちょっと、ちゃんと追い込めたのにフォークがあんま良くなかったんで、それで三振はあんま取れなかったですけど(1奪三振)。打たれたヒットも2本、フォークだったんで。そんな悪くはなかったんで今までより、そこだけ次回までにちょっと修正して。真っすぐも徐々に戻ってきているかなと思います。

――カットボールが収穫だった?

吉田そうっすね、結構球速も40(140)近く出ていたので。

たぶんなんか、スイングとかバッターの打ち方とか見ても「本当に真っすぐかな?」みたいな感じの球速帯でもあったんで。真っすぐが、もうちょいバランス良くなって、腕も振れてきた時に…ちょっと疲れもありますけど、そういう条件もそろってきたら、やっぱ球速ももっと戻ってくると思うんで。

そういう時だったら、もっとカットボールが(効果的になる)。まずはカウント取りから、すごい楽に使えるんで。フォークも見せずに済む。

やっぱ追い込んで真っすぐ、カット、フォークと(打者の)頭にあったら、真っすぐの空振りとかも増えてくるでしょうし。

最後の回(4イニング目)の先頭バッターは見逃し三振にしましたけど、頭の中では(決め球は)カットかフォークかなと思っていたんですけど、(捕手宇佐見のサインは)インコースの真っすぐが出たんで、それだったら外の真っすぐでいいなと思って(投げた)。全然(相手打者の)手が出てなかったので、やっぱカットボールがある程度、左バッターに結構投げていたんで、ある程度意識してくれたら、ああいう三振とかも増えてくると思う。

「鎌ケ谷で前向きになってたら…」

――先発、中継ぎ関係なく、カットボールは武器になるというイメージ

吉田使えると思います、はい。今まで真っすぐとフォーク、あってスライダーっていう。スライダーはちょっと僕のストレートに…今まではストレートに害があるのはカットボールだと思っていたんですけど、逆になんかスライダーの方が、なんか体が横振りになってしまうっていうか。そういうのを、あらためて去年のフォーム通りにしっかりキャッチボールでやってる時に気づいて。

で、カットボールをもしかしたら、なんかストレートの反面教師みたいな。こうやったら真っスラになるから、ちゃんと真っすぐをたたこうっていう意識にもなるし。

やっぱもともと悪い時は(直球が自然と)真っスラになる分、コントロールもしやすいんで。やっぱ、スリーワンとか、そういうカウントでも投げれますし、ちょっとこれから使えていけたらいいかなと。

――見逃し三振、三ゴロ、一直の3者凡退に抑えた4イニング目が良かったと思ったが、どうでしたか?

吉田そうっすね。先発したら(回を追うごとに)なんかどんどん上がっていくタイプなので、昔から。別に軽く投げてるわけではないんすけど…なんですかね(笑い)。分からないですけど。

――4イニング目は、気持ちよく投げているようにも見えた

吉田そうっすね。やっぱ真っすぐを今日(いい当たりで)飛ばされたのは1球もないし。まだちょっとでも、セットになった時に、あんまバランス良くないなっていうのはあります。

まあ、真っすぐの質も戻ってきて、今日結構ちょっと審判に(ストライクを)取ってもらえなかったですけど、低めのボールとかもすごい増えてきているので。

まあ、そういうボールは振ってこなくて、高めに抜けたりとか逆球になっても、やっぱり外野フライとかで終わらせるような感じになってきているので。ファームは特に真っすぐを狙われる。そういうカウントで、あえて真っすぐを投げてファウルを取れたりできているので。あとは状態をもっと上げていきたいです。

「配置転換をした時は特になんも」

――真っすぐの調子が上がらない時期もあったが、光が見え始めた?

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