生粋の西武っ子・羽田慎之介 こういう投手を追えるファンがうらやましい/連載〈7〉

Bクラスに停滞する西武ですが、次々と若手ホープが登場してくるのもライオンズの伝統です。地元所沢出身、大型左腕の羽田慎之介投手(19)がイースタン・リーグ公式戦で157キロの直球を投げた、とのうわさを聞きつけ、その真偽も含めてインタビューしました。

プロ野球

◆羽田慎之介(はだ・しんのすけ)2003年(平15)12月25日生まれ、埼玉・所沢市出身。小学2年から荒幡ライオンズで野球を始め、小学6年時にライオンズジュニア選出。中学時代は東練馬シニア所属。八王子学園八王子では1年秋からベンチ入り。3年春の都大会で149キロをマークした。21年ドラフト4位で西武入団。191センチ、84キロ。左投げ左打ち。今季推定年俸600万円。

5月4日 ファーム戦初勝利

練習後、先にシャワーを浴びた羽田は、ほんの20メートルの距離をダッシュして来てくれた。長い手足を折り畳むように。

「すみません! お待たせしました! よろしくお願いします!」

普段、記事内に「!」はあまり入れたくない派だが、彼に関しては入れたくなるテンションだ。

5月12日にインタビューした。約1週間前の5月4日、イースタン・リーグ日本ハム戦(カーミニークフィールド)で先発し、6回3失点(自責点2)で勝利投手になった。2軍とはいえ、プロ初勝利だ。「!」の勢いでいくと、さぞかし景気のいい言葉が?

「はい、えっと、まず1勝付いたっていうことは…特に何も思わないです」

意外と慎重。1、2秒置いて、付け加える。

2023年5月14日、ベルーナドーム室内練習場

2023年5月14日、ベルーナドーム室内練習場

「何も思わなかったっていうと、なんかとがっているみたいなので…まだ勝利数とかは気にしていないです、というところです」

理由を尋ねると「ちょっと四球が多かったです。納得はしてないです」とし「たくさんの反省点があったってわけじゃないんですけど、理想というものはやっぱりあるので、それに比べると全然、球の質とかも達していないところが多いです」と自己分析した。

実家は埼玉・所沢市、どころか、本拠地ベルーナドームから自転車で15分の場所にある。

本文残り68% (1755文字/2579文字)

1980年11月、神奈川県座間市出身。法大卒、2003年入社。
震災後の2012年に「自転車日本一周」企画に挑戦し、結局は東日本一周でゴール。ごく局地的ながら経済効果をもたらした。
2019年にアマ野球担当記者として大船渡・佐々木朗希投手を総移動距離2.5万キロにわたり密着。ご縁あってか2020年から千葉ロッテ担当に。2023年から埼玉西武担当。
日本の全ての景色を目にするのが夢。22年9月時点で全国市区町村到達率97.2%、ならびに同2度以上到達率48.2%で、たまに「るるぶ金子」と呼ばれたりも。