【バレー新時代〈21〉】「コート立つ権利あるのか」東京GBの葛藤と信頼回復への道

リーグ4位の東京グレートベアーズ(GB)と首位の大阪ブルテオン(B)が有明コロシアムで対峙(たいじ)した第17節第2日。東京GBシックスはフルセットの死闘を繰り広げました。前日に、主軸が相手選手への差別発言で出場停止に。重苦しい空気の中、一時は棄権を検討するも、ファンを思い、戦うことを選択しました。カスパー・ヴオリネン監督の下、プレーでの信頼回復を誓いました。

バレーボール

この日の試合中、東京GBの選手たちに笑顔はなかった

この日の試合中、東京GBの選手たちに笑顔はなかった

得点もセット奪取も笑顔なし

2025年3月2日。

完売御礼、9521人の大観衆をのみ込んだ有明コロシアムは、異様な空気に包まれていた。

15連勝中でリーグ首位をひた走る大阪Bを招いての一戦。「1万人プロジェクト」と銘打ち、さまざまな施策で観客動員に力を入れて迎えた“祭日”のはずだが、コートに立つホーム東京GBメンバーの顔には沈痛の色がにじんでいた。

得点しても、セットを奪っても、その表情にいつものように弾けるような笑みはない。フルセットの熱狂に沸くファンとは対照的に、ただ黙々と、目の前のことだけに意識を向けているようだった。

試合後。フィンランド出身のカスパー・ヴオリネン監督は会見でこう明かした。

「今日、試合前にミーティングが行われ、我々がコートに立つ権利があるのかといったところまで議題となった」

神妙な面持ちで紡いだ言葉が、ことの重大さを物語っていた。

事件は、前日1日に起きていた。

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スポーツ

勝部晃多Kota Katsube

Shimane

島根県松江市生まれ。2021年4月入社。高校野球の神奈川担当などを経て、同年10月からスポーツ部に配属。バトル班として新日本プロレスやRIZINなどを担当し、故アントニオ猪木さんへの単独インタビューや武藤敬司氏の引退試合、那須川天心―武尊などを取材した。 23年2月から五輪班に移り、夏季競技はバレーボールを中心に担当。同年秋のW杯や24年夏のVNLなど。冬季競技はフィギュアスケートをメインに務め、全日本選手権は2年連続で取材中。X(旧ツイッター)のアカウントは「@kotakatsube」。