子どもの能力を伸ばすには?新体力テスト×スポーツ履歴書ツールの活用法<2>

あのテストが世界とつながっている?

毎年春に小学校、中学校で実施されている「新体力テスト(スポーツテスト)」。いまその活用方法に、国が新たな仕組みを導入しています。世界で戦えるトップ選手の発掘を目的に、履歴書ツールを稼働させ、そのデータをもとに適性がある競技へのマッチングを行うシステムを構築、発展させていこうと動いています。

保護者なら誰もが手にするわが子の新体力テストの結果。その生かし方とは。トップアスリートを目指す子どもだけでなく、健全な成長を望む親にとっても有益な日本スポーツ界の最前線。5回連載の第2回です。

その他スポーツ

【連載の第1回、第2回を読むとわかること】

・未来のトップアスリートを見つける最新手法とは?

・新体力テストの仕組みと、見落とされがちな課題

・国が推進する「スポーツ履歴書ツール」の活用方法

・実際にツールを導入し、選手育成に活かしている競技団体

・保護者必見!お子さんの成長を記録する「履歴書ツール」の登録方法

お子さんの競技適正、どうやって見つけていますか

お子さんの競技適正、どうやって見つけていますか

限られたトップアスリートだけのツールではない

「新体力テスト」が活用される最新のアスリート発掘事業を説明してきた第1回から、第2回ではいますぐにでも保護者ができる実践に進んでいくが、その前に…。

公的機関が「スポーツ履歴書」として稼働させたアスリートパスウェイシステム(APS)。このツールは限られたトップアスリートを目指す人、その保護者のためだけに用意されていると思っていませんか-。

オリンピック・パラリンピックを目指すトップアスリートを医・科学的などから支援する国の国際競技力強化の中核拠点「ハイパフォーマンススポーツセンター(HPSC)」に所属して、APSの運用に携わる山下修平さんはこう話す。

山下さん ずっとデータを取りためられるので、自分自身の日頃のスポーツ活動や遊び方なども考えるきっかけになるでしょうし、そういったところで活用いただけると我々としてはありがたいです。また、自分の子どもがどういう風にプロセスを歩んできたかについて、ちゃんと親が俯瞰(ふかん)して、そのデータを元に見てあげて、褒められるところや改善できるところは提案できたりとかもすると思うんです。例えば、持久力が足りないなら、ちょっと朝一緒に走ってみようかとかもできるかもしれないですし、休みの日に公園まで走ってみようかとか。だから、そういう事を一緒に考えてもらえるきっかけになればいいなっていうのもあります。

データを日頃のスポーツ活動や遊び方を考えるヒントに

データを日頃のスポーツ活動や遊び方を考えるヒントに

HPSCの理念には得られた知見を社会に還元していくことが掲げられている。

APSに関しても、アスリート発掘事業での利用を主な目的には置きながら、同時にスポーツを通じた心身の成長に役立ててほしいという側面も持つ。

興味深い結果がある。

「お子様の運動・スポーツに関して、あなたはお子様に次のようなことを期待しますか」と保護者に聞いた2017年の調査(※)では、「とても期待している」と答えた中での上位5つの回答は以下となっている。

<1>じょうぶで健康な体になる(63.4%)

<2>人に対する礼儀やマナーを覚える(55.0%)

<3>自分の目標に向かって努力する(54.3%)

<4>仲間と協力する姿勢を身に付ける(52.0%)

<5>自分の得意なことを伸ばす(51.1%)

多くの保護者はトップ選手になってほしいと子どものスポーツを捉えているのではなく、むしろ人生においての成長の場としての効果を望んでいる事がうかがえる。

その意味で、APSを履歴書というツールとして役立ててもらう希望は合致している。

※ベネッセ教育総合研究所「学校外教育活動に関する調査2017」より。3歳から18歳の子どもを持つ母親、1万6170人にアンケート

多くの保護者は子どもの健全な成長を願っている

多くの保護者は子どもの健全な成長を願っている

誰でも簡単「履歴書ツール」の登録方法

ここからはAPSの登録を説明していく。

特別な手続きは必要なく、簡単な登録で誰でも利用できる。

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2008年入社後にスポーツ部(野球以外を担当します)に配属されて17年。25年4月に初の異動で野球部へ配属となりました。競技経験はありませんが、現在は息子が通う少年野球チームで“球拾い”コーチとして奮闘中。記者としても、様々な話題を拾います。ツイッターは@KengoAbe_nikkan。二児の父です。クラフトビール好きです。