「うちの子には無理」を覆す福岡モデル 新体力テスト×スポーツ履歴書の活用法<3>

あのテストが世界とつながっている?

毎年春に小学校、中学校で実施されている「新体力テスト(スポーツテスト)」。いまその活用方法に、国が新たな仕組みを導入しています。世界で戦えるトップ選手の発掘を目的に、履歴書ツールを稼働させ、そのデータをもとに適性がある競技へのマッチングを行うシステムを構築、発展させていこうと動いています。保護者なら誰もが手にするわが子の新体力テストの結果。その生かし方とは。第3回では全国の自治体で最も早くタレント発掘プロジェクトに取り組んだ福岡県の現場を訪ねました。

スポーツ

お子さんの可能性を見逃していませんか?

お子さんの可能性を見逃していませんか?

「うちの子にも可能性が」福岡モデルが切り開く未来

新体力テストを生かしたアスリート発掘の取材を進めると、必ず福岡県の話題を耳にした。

全国の自治体の先駆けとして、子どもたちの可能性を見つけ、引き出していき、ついにオリンピックのメダリストも誕生した。

24年パリ大会のフェンシング・サーブルの福島志帆実と高嶋理紗。

団体戦で手にした銅メダルが、県のタレント発掘事業としても、初めてのメダルだった。

第1回、第2回では国として推進する発掘事業を紹介してきたが、そのプロジェクトも大いに福岡を先行事例として1つのモデルケースにしているという。

1月下旬、実際に同地に足を運んだ。

担当者の話を聞いた結論は、それが決して一部の限られたスポーツ有能な子どもたちのための事業ではなく、いまは有能ではないかも知れない子どもたちにとっても、大きな可能性を開いていく。そんな印象を受けた。

「うちの子どもにそんな優れた能力があると思えない」と感じているような保護者にとっても、「福岡モデル」がもたらす効果は大きい。

しかも、自治体主導のため基本的には無料で参加できる点もメリットだろう。

では、実際にどのようなきっかけで事業は始まり、どのような運営がなされているのだろうか。

世界に羽ばたくアスリートを発掘

福岡空港に程近い丘の上に位置する「アクシオン福岡」。

1990年(平2)に福岡県で開催された「とびうめ国体」を記念して建設された施設だ。生涯スポーツの普及振興と競技力の維持向上を目的に、スポーツ科学センターとしての機能も有し、県のスポーツ事業の中核的役割を担ってきた。

その玄関をくぐると、大きな壁面に掲げられた文字と写真が目に飛び込んでくる。

「福岡県タレント発掘事業修了生 パリオリンピック出場者」

「国際大会出場者」

「全国大会出場者」

2004年(平16)に全国の自治体で最も早く開始された、世界で戦える選手を発掘する事業。その現在地が示されていた。

福岡県タレント発掘事業修了生のパリオリンピック出場者

福岡県タレント発掘事業修了生のパリオリンピック出場者

昨夏のパリオリンピックの出場者は8人。

ハンドボール、7人制ラグビー、陸上やり投げ、自転車など多岐にわたる競技の中で、2人の顔写真に銅色で「3」と書かれたメダルが貼り付けられていた。

22、23、24年の国際大会出場者は64人で、延べ人数は586人。さらに幅広い競技に及ぶ。

「福岡から世界へ」

その言葉を実現するために歩みを進めてきた20年。地域で子どもたちの将来性を見つけて、伸ばしてきた。

誇らしげに掲げられた壁面の文字と写真から、その軌跡が伝わってくる。

同施設内に拠点を構え、主催である福岡県スポーツ新興センターで聞いた。

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2008年入社後にスポーツ部(野球以外を担当します)に配属されて17年。25年4月に初の異動で野球部へ配属となりました。競技経験はありませんが、現在は息子が通う少年野球チームで“球拾い”コーチとして奮闘中。記者としても、様々な話題を拾います。ツイッターは@KengoAbe_nikkan。二児の父です。クラフトビール好きです。