最後に笑ったのは峰竜太でもなく、池田浩二でもなく、石渡鉄兵だった。

先日の蒲郡周年の優勝は圧巻だった。手にした23号機は複勝率26・7%のワーストエンジン。シリーズ開幕前から蒲郡は昨年ダービーの再現を期待する“峰劇場”と化していたが、石渡が全ての流れをシャットアウトした。エース機パワーの新田雄史がフライングに散ったのとは対照的に、8走して実に6本のゼロ台のスタートを踏み込むなど、文句なしの優勝だった。


蒲郡G1をワースト機で制した石渡鉄兵(2024年6月13日撮影)
蒲郡G1をワースト機で制した石渡鉄兵(2024年6月13日撮影)

ワースト機を立て直したことに関しては「何があるか分からないですね。流れが良かった。自分でもびっくりです。ワースト機で優勝なんて記憶にないです。でも、これで夏場のエンジン出しには自信が持てた。このエンジンに乗ったことで、ペラに関しても気付いたことが多い。たくさんヒントをもらった」と収穫の多さを口にする。

今年で50歳、節目の年齢を迎える。「まだまだ上を目指したい。目標は昨年の自分を超えること」と言葉に力を込める。

高いモチベーションを支えているのが愛息、翔一郎(21=東京)の存在だ。「心の張り合いになっている。峰君、池田君が相手でもやれるところを見せることができて良かった」と、父として威厳を示して誇らしげに胸を張った。


石渡鉄兵(2024年5月29日撮影)
石渡鉄兵(2024年5月29日撮影)

次節はグラチャン。リズムは最高、調整に関しても自信は揺るがない。「いい流れですね。急にリズムが上がった。思い切ってレースをしたい」と迷いはない。

蒲郡周年が関東地区以外では初のG1制覇だった。もう“江戸川鉄兵”とは言わせない。グラチャンでどんなレースを見せてくれるのか。同世代として楽しみでならない。