女子ボートレーサーの魅力に迫る「ビューティフル・ボートレース」。今回は、内山七海(26=福岡)を紹介する。祖父がボートレーサーだった縁で、7度の受験を経てレーサーとなった。端正な容姿に秘めた不屈の精神でトップレーサーを目指す。

ピットで談笑する内山七海
ピットで談笑する内山七海

-祖父(橋本忠さん)がボートレーサー

内山七海(以下内山) 高校の時、ボートレース場が近い若松に引っ越しした時に、たまたま母が「亡くなったおじいちゃんはボート選手だったのよ」と話してくれたんです。その後にレース場へ初めて観戦に行きました。それから何回か通うようになりました。

-決定的なレースを見た

内山 大学に入ってから、福岡ボートレース場で見たSG(スペシャルグレード、ボートレース最高峰のグレードレース)のダービー初日。ドリーム戦で強い男子にまじって、女子の平山智加さんが逃げて勝ったレースを目の当たりにしました。このレースを見て、私もボートレーサーになりたいと思ったんです。

-そこからが苦難の始まり

内山 試験は6回落ちました。どうしてもボートレーサーになりたくて、これで最後にしようと大学を中退して受けた7回目で、やっと養成所に受かりました。でも、養成所に入っても苦労しました。頑張ってこられたのは、何度も落とされて、それでも諦めずにやってきた思いが強かったんだと思います。7回目に壁を越えられて、自分の名前(七海)にも縁を感じました。

-デビューして約2年半が過ぎた

内山 まだまだ自分の思ったようなレースはできてない。早く自分の特徴を出していきたい。私が出てるからファンが舟券を買ってみようと思ってくれるような選手になりたい。だから、平山さんや同じ福岡支部の大山千広さんに憧れます。

同期の福山恵里奈(左)と熊本城へ観光旅行
同期の福山恵里奈(左)と熊本城へ観光旅行
同期の清水愛海(中央)や川井萌(右)とドライブ
同期の清水愛海(中央)や川井萌(右)とドライブ

-オフの過ごし方は

内山 練習ができる日はボート場に行ったり、近くのジムで体幹を鍛えたりしてます。趣味はコロナ禍だったこともあるけど、近場にドライブに出たり、家で「デスパレートな妻たち」や「スーツ」とか昔のアメリカのドラマを見たり、最近は韓国ドラマとかにはまってます。同期の子たちと旅行やご飯を食べに行ったりしてますね。でも、何かボートレースにもつながるような他の趣味も持ってみたいです。

同期の坂野さくら(左)と食事
同期の坂野さくら(左)と食事

-最後にボートレースの魅力とは

内山 私は、バレーボール、テニス、ラクロスとかいろんなスポーツを体験してきたけど、ボートレースが一番、奥が深くて面白いと思ってます。走る人や気象条件、エンジンの違いなど毎レース全てが違うため、いつも新鮮な気持ちでレースに挑める。こんなに毎回、緊張感がある仕事は他にはないですね。そこが魅力ですね。

※次回は7月12日更新予定

◆内山七海(うちやま・ななみ) 1996年(平8)12月12日、福岡県北九州市生まれ。127期として20年11月、若松でデビュー、21年12月の若松で初勝利。昨年の獲得賞金は997万3152円。165センチ、45キロ、血液型A。