【川尻将志・オレに任せろ】

 ◆11R たった1人のコメントでがらりと予想が変わる。だから競輪は面白い。メンバーが発表された段階では99%、地元の金子貴志で原稿を書くつもりだった。しかし、大塚健一郎が竹内雄作の番手勝負を宣言し、ムードは一変。展開、状態を再考し、レジェンド神山雄一郎に本命を託すことに決めた。

 神山は前回の静岡G3で優勝し、自身が持つ最年長G3優勝記録を更新した。「良かったとは思うけど、自分が持っていた記録を更新しただけだから。次はG1の最年長記録を更新したいけど、そこがなかなか難しくて」と照れ笑い。次のターゲットは、松本整(引退)が持つ45歳でのG1V(04年、高松宮記念杯)の最年長記録の更新。そのためのステップとしては、静岡G3は最高の結果となった。

 前を任せる平原康多の仕上がりも大きなポイントになる。奈良G3の落車に関しては「体のバランスを崩したけど、先月の終わり頃から追い込んだ練習ができた。調子は大丈夫」と力強く不安を否定。流れに応じて多彩な攻めができる平原なら、渡辺一成と竹内の先行争いを誘いつつ、最低でも中団をキープし、的確に前前に仕掛けてくれる。神山にとっては、この上なく頼りになる相棒だ。

 平原の押し切りも魅力だが、現状の勢いなら「静岡G3もゴールまで踏み切れたし、状態は上り調子」と胸を張る神山の切れ味が上回るだろう。車券は3連単(9)から(1)(2)(3)(5)(6)の2、3着で狙いたい。