【松井律・競輪黙示録スペシャル】

メインコラム初登場の松井です。記者歴28年のうち、伊東担当は25年。大会の成功を後押ししたいです。

渡辺雄太にとって今大会は、今後を占う大事な試金石となる。

◆11R:1予 昨年の賞金ランクは自己最高の13位。KEIRINグランプリ(GP)出場は、夢から目標に変わった。しかし、今年は「もう1戦1戦の積み重ねでは間に合わない。どこかで一発狙わないと」と、特大のホームランが出なければ目標達成は厳しい状況だ。

本気でGPを意識したのは、静岡で初めて開催された18年。出場はならなかったが、本気になったからこそ上位陣とのリアルな差が見えた。「全体的なスピードが上がり、全開で踏んでも軽く上をたたかれてしまう。位置取りも含めて何でもやらないと勝ち目はない」。ナショナルチームとの圧倒的なスピード差は簡単には埋まらない。持ち味の「地足」をどうレースで生かしていくかを、ずっと模索し続けてきた。

今後のG1開催は、スピードタイプに有利なドームバンク(前橋、小倉)のみ。つまり、18年にG3を制した地元伊東で立つこの打席こそが、ホームランを打つ最大のチャンスなのだ。

11R・1予。自動番組は、皮肉にもナショナルチームの脇本、新山を相手に選んだ。うれしい誤算は、熊本勢が付けてラインが3車になったこと。脇本は1カ月ぶりの実戦。完全にエンジンが温まる前なら、付け入る隙はある。前前に動いて別線をかく乱して、最後にまくる。

3練炭(2)-(3)(4)(5)-全、(3)-(2)-全。