オープニングの予選1Rは、117期の新人・溝口葵(27=大阪)がデビュー初勝利を挙げた。

選手養成所で0勝、デビュー戦の小倉ルーキーシリーズは全て着外と精彩を欠いた姿とは別人だ。

レースは打鐘過ぎに前団をたたいてペース駆け。番手で1着入線の垣外中勝哉が蛇行で失格となり、溝口が繰り上がりで1着になった。懸命に別線を止めた垣外中を思いやり「複雑です」。そして「でも、うれしい。初めてですから。自信になる。松阪は忘れられないバンクになると思う」と喜んだ。

名古屋産大時代はウエートリフティングに力を注ぎ、卒業後に勤めたジムで師匠になる伊藤信に出会った。自転車の経験が浅く、伸びしろがたっぷり。初体験のライン戦に「序盤から作戦通りじゃなくて緊張した。足が回らなかった」と気後れしながらも、今後へ視界が開いた。

勢いに乗り、準決でも注目を集めそうだ。