ガールズで競走得点トップの日野未来(31=奈良)が突っ張り先行の予1に続き、予2・2Rはバックまくりで堂々の勝利。これで自身通算100勝になり、「最初は一般戦で勝てるかどうかの私が100勝なんて。うれしい、こつこつ努力した結果です」と声を弾ませた。

挫折で始まったデビューから、6年目でのメモリアル達成に感慨ひとしお。114期生として、競輪学校(現・選手養成所)では成績優秀者におくられるゴールデンキャップを獲得しながら、実戦を迎えると苦戦した。先行勝負を試みても単騎同然の仕掛けになり、簡単に他に巻き返されて大敗した。落車で左肩を骨折するなど大けがを負い、競走得点は代謝による引退ボーダー付近をさまようこともあった。

それでも心は折れなかった。師匠で、体のケアにも精通する佐藤成人(71期・A級1班)とスピードの強化に励み、時にはガールズの強豪がそろう久留米や平塚で出げいこした。「師匠はもちろん、久留米で児玉碧衣さんや藤田剣次さん、平塚では尾崎睦さんや渡辺秀明さんにいろいろと教えていただいた」。

努力が実を結び、22年6月松戸決勝で児玉碧衣や奥井迪らを大まくりで仕留める大金星。自信はもちろん、パワーや積極性を増す今では、レースの序盤から他選手が後位を求めるようになり、より先行勝負に持ち込みやすくなった。

2月松戸以来で、通算11度目の優勝が懸かる決勝8R。月末にはG1オールガールズクラシック(26~28日・久留米)が控えていることもあり、「後手に回らないよう集中」と積極策での必勝を誓った。ファン、そしてさまざまなアドバイスをいただく周囲へ感謝の思いを強くしながら、ペダルに力を込める。