ずっと先行職人として戦う引地正人(43=秋田)が、検車入りするなり考え込んだ。青森支部の一員として今節は大事な地元戦。それも24年開幕戦にあっせんされ、いやが応でもテンションが高まる。実際に前節4月四日市で1年3カ月ぶりに決勝進出し、リズムを上げて迎えたとあって、予選5Rは普段通りに自力勝負か、地元ルーキー立花昌也の番手回りかを思案したのだ。

出した結論は番手。「初対面の立花君からあいさつされ、頑張りますとのこと。いい目をしていて、これは付くべきだなと。まあ、同支部だし。番手って自分には難しく、前で味方の選手をどう抜いていいか分からない。明日で、誰かの後ろ回りは27回目になるのか」。なんと、追い込み勝負をカウントしていたのだ。普段の豪快な仕掛けから想像できないような、繊細な神経の持ち主が、首尾よく立花とワンツーといくか。自身の今後を占う意味でも大事な一戦に、集中力もMAXにして挑む。