【山本幸史・オレに任せろ】

 稲垣が8度目の挑戦で悲願のG1タイトルを手にする。準決11R、平原の打鐘先行に中団から襲い掛かった。「緩むところがなかったけど、2コーナーから思い切って踏み込んだ」。バックでは神山雄一郎のすさまじいブロックを浴びたが、耐えに耐え、まくり切ってつかんだ先頭ゴール。「このメンバーで1着が取れたし、自分の気持ちもたかぶっている」。心身の充実を実感する1勝だった。

 決勝は、近畿と関東の2分戦のガチンコ勝負になった。石井や松岡はまくりを秘めるが、さすがに混戦を待ってのワンチャンスしかない。単騎より、ラインの強みを誰よりも実感しているのが稲垣だった。「岸和田の宮杯で、近畿でラインを組めるのはうれしい」と言い「仲間の気持ちを背負って走る」と続けた。関東黄金タッグを打ち破るのは近畿の鉄の結束しかない。

 目標の脇本は「やっと状態が良くなってきた」と胸を張る。さらに「主導権を取る」と先行宣言する。海外遠征で磨いたスピードに加え、初日は赤板から2周先行で逃げ切ったほどの航続距離の持ち主。優勝も狙える出来にある選手が早駆けに出たら、さすがの平原もまくりに構えるしかない。早駆けを分断に行けば、それだけで脚力をロスするからだ。別線が飛び付けない早駆けに出る脇本の番手から踏み込み、悲願のG1制覇を決める。次位筆頭は追走村上。ただし、今開催まくり足を温存している平原は互角。これを追う武田、岩津、佐藤を連下に絡める。

 3連単は(7)(2)(5)、(7)(2)(1)、(7)(2)(3)の3点を厚めに、加えて(7)から(5)(1)(3)(4)の12点で好配に期待する。