【山本幸史・ヤマを張れ スペシャル】

◆11R:青龍賞

東のメインらしく、青龍賞11Rは大接戦ムード。伏していた「龍」が、復活を遂げる。吉沢を狙い撃つ。

東1予7Rは、目標の真杉匠が岩本俊介を強引にたたいて先制。吉沢は別線のあおりを軽くいなし、車間を空けてから差し切った。今、関東NO・1先行選手の後ろとしては完璧な立ち回りだ。本人は「流れ(がいい)だけだと思う」と笑うが、前回の取手G3の決勝も、大外を伸びてつかんだ優勝。当然、戦える脚力があってこそだ。

度重なる大けがを乗り越えてきた、不屈の男。昨春には左アキレス腱(けん)を断裂したが、今年2月の地元G1全日本選抜に出場できるほど回復。出場すること自体が奇跡的だった。その裏には、吉田拓矢、有希ら、若手との「かなりきつい」という練習の裏付けがあった。5月の大垣F1からは、足首を固定するサポーターも外した。踏み出しへの恐怖心も払拭(ふっしょく)。しぶといタテ足が復活した。

「全プロ記念からずっと番手回りだけど、自力でやるつもりではいる」。自力戦に迷いはなかった。11Rは平原と別線のガチンコ勝負で、今の成績が“恵まれ”でないことを証明する。

本格先行が不在の一戦。ただ、責任感の強い平原は3車を考えれば後方で構えず、先行も辞さない仕掛けも考えられ、一筋縄にはいかないレース。吉沢は1度前に出て、中団まくりで勝つ。勝利に貪欲な番手隅田との直線勝負とみた。

3連単は手広く(5)-(8)(3)(7)(1)-全と、(8)-(5)-全の計35点で高配当をつかむ。